菜の花のたよりが聞こえます

 新年が明けると南の国から暖かな便りが伝えられます。沖縄から緋寒桜の淡い桃色。房総半島からきんせんかのオレンジ色。新潟の冬では想像できない鮮やかな彩りですね。そして南九州から伝わる菜の花、アブラナの黄色は春を予感させる色合いです。
 このアブラナ科のハーブにマスタードがあります。日本名ではカラシが一般的ですね。ナス科のトウガラシは辛みがじわっと長続きしますが、こちらはツーンと鼻を抜ける辛み、すとんと切り上がる辛さ、日本の食材にすっかりなじんでいますがやはり遠来のハーブです。原産地は中近東からアジア中部といわれています。日本には古い時代に中国から伝来したといわれ、平安時代の書物にも紹介されています。湿布薬などの薬用としても利用されてきました。
 種類はクロガラシ、シロガラシ、ワガラシと大別されますが、その交雑種が幅広く栽培されています。日本で利用されているワガラシはカラシナという品種。花が咲く前の青い葉はピリッとした辛みがあり、おひたしや漬物に用いられます。その畑は菜の花畑と同じ黄色いじゅうたんを敷きつめたような風景が広がります。そして、充分に熟したさやを、はじける前に収穫し乾燥させてから中の種を採取し用います。
 我が家の冬の定番メニューは週一回の"おでん"。仕込みに時間をかければ結果がついてくる一品です。この"おでん"にはカラシが出番です。即席にチューブに入れられたものもありますが、粉状のものを練り上げると風味も辛みも増してきます。食材によって使うマスタードの種類を使い分けるなら肉類にも野菜にもなじみよく味を引き立ててくれるハーブです。
 そして、春を実感できる食材はもうお目見えしています。"なばな"を始めとするアブラナ科の野菜たちです。冬菜や女池菜の仲間です。若芽を利用して和え物、おひたしなどにもってこいのこの野菜はもう食卓に上っているでしょうか。
(03.1.8)