カモミール

 春、ハーブ畑に小さな芽がどんどん頭を出してきます。その中で、一番成長が早く、群生するのがジャーマンカモミールです。前年のこぼれ種から芽を出し、越冬した芽はぐんぐん成長し、5月には花が咲き出します。大地のりんごと呼ばれるハーブで、甘い香りがします。日本でも、おなじみになったカモミールはハーブティーに、化粧品に、入浴剤に大活躍しています。
 カモミールといったばあいには、一年草で茎が70cmほどの高さになり、2cm位の菊のような花を咲かせ、花だけに芳香があるジャーマンカモミールと、多年草で芝生のように匍匐し、30cmほどの茎の高さに4cm位の花を咲かせ、全草に芳香があるローマンカモミール双方をいいます。
 名前のように、ジャーマンカモミールはドイツで普通のカモミールとし、イギリスを中心に英語圏の人々はローマンカモミールを普通のカモミールと考えています。両方のカモミールとも、利用の仕方も似ていることから混乱し、どちらが本当のカモミールか、という論争もあったようです。和名ではカミツレ、カミルレというとジャーマンカモミールをさしています。
 カモミールが咲くシーズンになると、農園の醍醐味は生のカモミールティーが毎日飲めることです。カモミールティーは生で飲むのが最高です。一人分として花4,5輪を摘み、ポットに入れて、沸かしたての熱湯を注ぎます。ふたをして4,5分むらしたら、りんごの香りがするハーブティーの出来上がりです。辺りにも甘いりんごの香りが漂い、幸せな気分になります。 
 腹痛やかぜ、頭痛、筋肉痛、婦人科疾患、ヒステリー、不眠症などに効果があり、民間薬として長い間使われてきました。世界中の子供たちから愛されている、ピーター・ラビットの絵本に、カモミールが家庭の常備薬として登場します。お母さんうさぎが、ピーターに「寝る前に大匙に一杯ですよ」と飲ましているのが、カモミールティーです。5月の青々としたハーブ畑を見ながら、フレッシュでカモミールティーをご一緒しませんか。