センテッドゼラニウム


 夏のビニールハウスの中は我慢大会のようです。その中で青々とした葉を茂らせ、香りも今が最高のハーブがあります。ニオイゼラニウムとも呼ばれるテンジクアオイ属のうち、葉に芳香や刺激臭がある低木類のゼラニウムです。センテッド(芳香性)ゼラニウムと呼ばれるこのハーブは数10種類もの香りのバリエーションがあります。
 南アフリカ原産のこの多年草は、ハーブガーデンの中でも最も甘く強い芳香があります。一見したところ、花は素朴で小さく、葉も園芸用のゼラニウムのように見えますが、一度葉に触れたら、数時間も指から香りが失せないほど強い芳香精油分を含んでいます。香料用精油抽出のため古くから商業的に栽培されてきました。
 以前、このゼラニウムの大きな花束を持ち、バスに乗ったところ、乗客の皆さんに一斉に振り向かれたことがあります。バスの中はバラのような香りでいっぱいになり、改めて香りの強さにびっくりしました。レモン、ペパーミント、ジンジャー、へーゼルナッツ、杏、イチゴ、リンゴなどたくさんの香りがありますが、特に代表的なローズゼラニウムには、バラと同じ香りがあり、主成分のゲラニオールを多く含み香水の原料になります。バラよりもバラの香りがすると言われるほどです。春に咲く桃色の小さな花には香りはありませんが、盛夏の頃、葉の香りが一段と強まります。夏のお日さまを浴びてどんどん大きくなり、木質化して1mほどの高さに伸び、大きな切れ込みの入った葉は幼児の手のひらぐらいの大きさになります。
 増やし方も簡単、5〜6月と9月中旬〜10月中旬に挿し木をして増やします。寒さには弱いので、冬は日当たりの良い室内で越冬させます。
 楽しみ方は幅広く、コサージュ、活け花、香りの花束、入浴剤などに。お料理にはゼリー、ジャム、ティー、ケーキ、パンの香り付けに使います。葉の味は悪いので、香りを移したら葉は取り除きましょう。 最近、蚊を寄せ付けないハーブとして、蚊やり草、蚊えん草などの名前で販売されているゼラニウムもセンテッドゼラニウムの仲間ですよ。
(02,8.20)