もうひと花咲かせます

 暑さ寒さも彼岸まで。というように涼しい風が吹いてくると、しゃきっとする植物があります。その名はナスターチウム、和名は金蓮花です。夏に枯らしてしまう人が多く、栽培のポイントをよく聞かれます。ナスターチウムさんが言うには「私、オランダの人に紹介され日本に来て150年になるけれど、日本の高温多湿の夏には本当にまいってしまうわ。私の故郷はペルーやコロンビアの高地だから、いつも涼しい風が吹いているのよ。夏は東向きとか、北向きの所に置いて強い日差しをさえぎってもらえれば、じっと我慢して夏をのりきり、涼しい風が吹いてくる秋にはもうひと花咲かせなくちゃと、生き生きしてくるのよ」と申しております。秋に再び花をつけてくると、霜に当てなければ、初冬まで花が見られます。一年草で紹介されていますが、部屋の中で越冬させると生き延び、春から花が咲きます。
 ハスに似た葉とトランペットの形をしたカラフルな花をつけ、キンレンカの名前で親しまれ、吊り鉢やポット植え、グランドカバーなど園芸的に栽培されていますが、ハーブとして使う人々も多く、英国ではインディアンクレス、フランスではペルークレソンと呼ばれ、クレソン代わりに食用に利用されています。葉も花も食べることができ、葉にはビタミンCと鉄分を含み、抗菌作用もあります。昔、ヨーロッパでは壊血病の治療薬として使われていたそうです。ピリッとした辛みと酸味があり、サラダに入れたり、サンドイッチにはさんだりすると、おしゃれな彩りと風味づけになります。
 農園を訪れるお客さんにナスターチウムの花を食べてもらうと、皆さん驚きと複雑な表情になります。お勧めは、いろいろな野菜といっしょにサラダにすること。美味しく頂けますよ。
 農園では、ナスターチウムの種まきを秋にも行います。冬温室で過ごす小さな葉っぱがとてもかわいいです。
(02.9.11)