早春の花・スィートバイオレット


 雪に埋もれたビニールハウスの中で、甘い香りを放つスィートバイオレット。和名はニオイスミレです。野山に自生しているスミレや園芸店で見かけるお馴染みのパンジーやビオラも近い仲間です。甘いやさしい香りが特徴で、200以上もの変種がある多年草です。ヨーロッパ、アジア、北アメリカをふるさとにもち、丸みのあるハート型の葉の間から伸びた10センチ程の茎の先に、濃い紫色の一重の花をつけます。2月先から咲き始め4月末で咲き終わる、まさしく春の訪れを告げるにふさわしい花です。
 園芸種には、桃色や黄色、白の花が咲くものがあり、八重咲きの花もあります。石灰質で、湿りがちな半日陰の土地を好み、秋に播種、株分けで増やすことができます。また、ランナーではうように広がります。耐寒性は大変強いですが、夏の強い日差しに当たると株が弱り枯れてしまいますので、木の下などの少し湿っている半日陰の場所で育てるとよい花がつきます。
 ギリシャ、ローマ時代から多くの人々に愛され、薬用や香料用として栽培されてきました。現在も南フランスで、香水の原料用に栽培されています。古代ローマ人は花の輪飾りを首に下げ、宴会で酒に酔わないようにしたり、女性は花から採った染料をまぶたに塗り、アイシャドウにしたそうです。
ケーキや飲み物に飾ったり、サラダに混ぜたり、砂糖漬けやハーブティーなどに利用すればちょっとおしゃれを楽しむことができます。
 まだまだ寒い日が続いていますが、お日様が顔を出すとビニールハウスの中はポカポカして一足先に春のようです。こんな日はハウスの中をぐるぐる回って、休眠中のハーブたちのご機嫌伺いをします。「まだ当分眠っていたい」と言うハーブもいますが、長くなった日ざしを感じたのか「春が近づいているね」と言う目覚めの早いハーブたちにも出会うことができます。
(03.2.5)